花蓮番外編〜芭蕉の繊維で紙すきを行う〜

はじめに・ Banana Fiber Research Projectとは

「東南アジアや南太平洋地域に伝わる芭蕉布文化について、現地調査を試みそのルーツを、また、すでに製作技術が忘れられ途絶えてしまった地域での復興や、存続している地域の人達との交流を通して芭蕉布の新たな可能性を探る」というプロジェクトです。
沖縄の染織工房バナナネシアの福島泰宏さんが主宰となり、その活動に現代美術家の遠藤 薫さん、染色作家の山中彩などが協力して、活動を進めています。
→プロジェクト概要はこちら

※文献をもとに、調査地選定を行っています。
各地域についてのレポートは、以下リンクからご覧ください。
調査済:台湾の蘭嶼島花蓮県ベトナム北部カオバン地域
計画中:中国福建・広東・広西チワン自治区・雲南省

バナナの繊維を用いた紙づくりの様子を報告します

台湾花蓮での芭蕉布リサーチの際、陳淑燕さんの染織工房 光織屋-巴特虹岸手作坊にて、紙づくりを行いました。 バナナの幹から糸となる繊維を取り出す作業の際に廃棄となる繊維を用いての制作です。その様子を 報告いたします。

紙漉きのための下準備

前日までに、繊維と水を入れた鍋に木灰を加えて柔らかくなるまでじっくり煮込みます。そして柔らかくなった繊維の内側の繊維をさらに細かく刻み、叩いて、紙になる繊維を作ります。紙を梳くときに必要になる「ねり」は、近くのハイビスカスの茎を使います。水の中に浸し、しばらく揉み込んでいくと水がしだいにトロっとしてきました。

前日にハサミで細かくしておいた繊維を、ミキサーで撹拌し、さらに叩いていきます。

芭蕉繊維を用いた紙漉き、実践!

芭蕉の繊維で紙を梳く part 1
芭蕉の繊維で紙を梳く part2
繊維の中に「つなぎ」となる要素が少なかったため、ボロボロとくずれてしまいましたが、ひとまずの試作が完成。
福島さんが沖縄から持参した紙すきの木枠を用いて、試作ができました。

まとめ

福島 泰宏さんの染織工房バナナネシアでは、糸芭蕉の栽培から、繊維の採取、糸紡ぎ、染め、織りの全行程を、沖縄の伝統的な芭蕉布製造技法を基に生産されています。芭蕉布の製造過程(芋剥ぎ、芋引き)の中で生まれた原料から、芭蕉紙も制作されていて、奥様が紅型で作品や商品を制作しておられます。

糸芭蕉の命をすべてを生かしたい・・。そんな思いを胸に日々ものづくりに取り組んでおられる福島さんの心意気が、今回の紙づくりを通して、筆者にもじんわりと伝わってきました。

文・山中彩
協力・ 福島泰宏 、 遠藤 薫 、陳淑燕老師、杜瓦克先生
校正・ReASIA

染織工房バナナネシア http://banananesia.official.jp/
遠藤 薫 https://www.kaori-endo.com
山中彩 https://aya-yamanaka.com

福島泰宏
埼玉県出身。’85年沖縄県大宜味村に移り住み、平良敏子芭蕉布工房などで技術を学ぶ。糸芭蕉の栽培から織りまでの全行程を手がける。
染織工房バナナネシアの歩み
1985年  芭蕉布後継者育成事業を経て、沖縄県大宜味村で平良敏子芭蕉布工房で製造技術を学ぶ。
1992年 読谷村で工房を立ち上げ独立し芭蕉布の製作をはじめる。
2001年 芭蕉紙の製造を始める。
2014年 沖縄県今帰仁村字謝名に工房を移転。
糸芭蕉の栽培から、繊維の採取、糸紡ぎ、 染織、織りの全行程を、沖縄の伝統的な芭蕉布製造技法を基に生産中。
http://banananesia.official.jp/index.html

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山中彩

山中彩
染色作家 .  工芸/染色作品の制作を通して、現代の日常の暮らしの中に息づくものづくりのあり方を考えている。韓国と日本にルーツを持ち、現在は台湾で暮らしている。アジア各地へ旅をする中で、土地の環境と文化に由来する染料や技法に興味を持つようになる。ReASIAを通しては、芭蕉布に関するプロジェクトや天然染料のリサーチ記事を執筆する。2017年金沢美術工芸大学工芸科染織専攻卒業。
国立台南芸術大学応用芸術学科繊維専攻に在籍中。京都府出身。

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