夜の街に現れる屋台リサーチ。ジョグジャカルタ-グデック編

インドネシアのような、日中の日差しが強い国は、日が暮れてからのアクティビティが、より色濃く現れます。
夜になると、毎日ルーティーンのように準備され、現れては消える屋台の存在には、面白い空間の使い方が詰まっているのではないか、と考えています。
そんな日々の中で、目に止まった屋台のあり方をリサーチした内容をご紹介します。

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グデックとは

グデック(Gudeg)はジョグジャカルタの伝統的な料理で、観光で来る人は必ず食べる料理です。
ジャックフルーツをココナッツミルクと赤砂糖で煮込んだものです。
ジャックフルーツをチキンとか卵とか豆腐とかと一緒に煮込むって、味の想像があまりできないかもしれませんが、
甘く、辛いです。辛いものは本当に辛くて、私にも食べられませんが、辛さを控えたものはご飯が進む美味しさです。

屋台の形

鉄のポールで組んだ屋根に、簡素なビニールシートをかけただけ。
おばちゃんが座る場所と、グデックを並べるところは、竹で仕上げられています。
鍋もしっかりサイズに合わせて場所が作られているのがなんとも可愛い。

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スーパーの駐車場

このグデックの屋台はスーパーの駐車場を利用しています。
スーパーが閉まった後の駐車場は、確かに誰も使わないので空いていますよね。
そこを時間で借りているのだと思いますが、グデックの屋台は深夜帯に出る習慣があるので、ちょうど使いたい時間帯が被らないんですね。
そして、スーパーのシャッターの手前の段差さえも利用して、簡易的な座敷が作られています。確かにちょっと段差があると座りやすい。
そして、うしろにあるATMの明かりが、その辺を照らしています。24時間ついているATMの明かりまで利用されていて、なんて賢いのだこの街の人たちは・・・とさえ思えてきます。

まとめ

使われていない時間帯の駐車場と、ATMの明かりを利用して、夜の間だけ出されるグデックの屋台。
仕事のしやすいように、工夫されデザインされているオリジナルの屋台の形。
一つの生態系のようだと思います。
使えるものは使い尽くすぞと、ガチガチのルールに拘らないで、空間を使いこなしている姿には、私たちも見習わなければならないところがあるのではないでしょうか。

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エリ

建築・インテリア設計
大阪府出身、東京工業大学建築学専攻修了。インドネシアに4年滞在し、地震被災地での研究調査、バリ島でのホテルデベロッパーでの就職、日系NGOでプロジェクトコーディネーターを経験。現在帰国し大阪在住。
2020年ReASIAを共同設立し、現在代表を務める。

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